店舗ディスプレイのコツをイラストや実例交えて徹底解説

コラム 2020/02/20

日本橋馬喰町に卸問屋を構えるエトワール海渡です。

「もっと来客数を伸ばしたい!」そうお考えの小売店オーナー様は多いはず。
実は、街中でお客様がショップに入るかどうかを判断をするのにかかる時間は、10秒以下だという事を知っていますか?
この数秒の間に、お客様はディスプレイの状態から売り場の状況や商品のクオリティ、店舗の品格などを予想し、入店するかどうかを決めるのです。
そうなると、店舗ディスプレイは来店数を大きく左右する重要な販促ツールといっても過言ではありませんよね。

エトワール海渡が、店舗ディスプレイの豊富なノウハウやアドバイス経験をなどを基に、店舗ディスプレイのコツをお伝えします。

 

株式会社エトワール海渡は創業122年の歴史をもつ総合卸商社です。
2,500メーカーの70万アイテムをお取扱い!
店舗をお持ちの方と、ネットショップを運営されている方、合計約2万店の会員様がいらっしゃいます。
卸・仕入れサイト ETONET(エトネット)では、24時間いつでもお仕入れいただけます。

 

店舗ディスプレイの原則

まず、店舗ディスプレイとは切っても切り離せない7つの原則についてご紹介します。

  1. 清潔さ
  2. 明白さ
  3. 統一感
  4. グルーピング
  5. 余白
  6. 立体感
  7. アクセント

これらは、どういった内容なのでしょうか。
それぞれご説明します。
アパレルショップの洋服

1.清潔さと整理整頓

店舗ディスプレイにおいて、清潔さと整理整頓は最も重要なポイントです。

例えば、ショーウィンドウのディスプレイ。
綺麗と感じていざ近づいてみるとガラスや床が汚くてがっかり……これではせっかくの印象を台無しにしてしまいます。
「当たり前」だと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、毎日目にするからこそお店側は小さな汚れを見落としてしまう可能性もあります。
今一度、ほこりや汚れなどはないか店舗のディスプレイコーナーを隅々までチェックしてください。

続いて、整理整頓についてもしっかりと意識をしたいところです。
例えば、店内の売り場の真ん中にディスプレイを作る場合、周りがごちゃごちゃしているとせっかくのディスプレイも目立ちません。
商品を綺麗に並べるという基本に加えて、ディスプレイの周りは少し広めにスペースを取るなども意識する必要があります。

2.明白さ

ディスプレイは一目でお客様に明確にメッセージが伝わることが重要です。
コンセプトなのかそれとも新商品なのか等、まずは今回の店舗ディスプレイで伝えたい事は何かを最初に決め、そこからぶれないようにディスプレイを完成させていく必要があります。

3.統一感

好きなものをとにかく集めてディスプレイを作っても、まとまりがなくなってしまいます。
そのため、全体の統一感はしっかり意識していきましょう。
例えば色であれば、メインカラーを決め手展開するだけでぐっと統一感が出ます。

また、3色のうちの1色にディスプレイで使う机や壁の色と同じものを取り入れると自然なまとまりになります。

使用する素材もばらばらにならないように気を付けてください。
あえて印象の異なる素材を取り入れる場合は、1~2種類程度に抑えるのがおすすめです。

4.グルーピング

色や素材を意識してディスプレイする商品をピックアップしたら、そこからさらに同じようなもの同士をグルーピングしていきます。

例えば、雑貨の素材には、木や金属、ガラスなどがあり、テーマによっては異なる素材を一緒に並べることも可能です。
しかし、異なる素材を一緒に並べるにはそれなりのテクニックが必要になってくるため、まずは同じ素材同士を近くにまとめた方が完成後が上がりやすくなります。

色も同様に、多色使いも可能ですがある程度色ごとにまとめて置く位置などを考えて並べていくようにしましょう。

5.余白

ディスプレイや陳列もそうですが、「余白」の大きさによって与えるイメージが変わってきます。
例えば、ゆとりを持たせたディスプレイにすると少し高級感がでたりスタイリッシュなイメージを与えたりすることができます。
また、商品をより多く飾るとにぎやかな印象になります。
しかし、あまりに詰め込みすぎるとごちゃごちゃしたイメージを与えてしまいかねません。

注目してほしいものを目立たせるためにもこの「余白」というものを意識するのもひとつのコツです。
商品やコンセプト、店舗の雰囲気なども関係してきますので、バランスをみて行うことが大事です。

6.立体感

ディスプレイを行う上で重要なのは、立体感です。
後程みせ方の基本などもお伝えいたしますが、高さに差をもたせたり奥行を持たせたりと工夫することでディスプレイに立体感がでてきます。

7.アクセント

ディスプレイにはメリハリが大事でアクセントになるアイテムをいれることでメリハリをつけることが可能です。
例えば、小さい商品の中に一つ大きめなメインとなる商品を入れる、高さの低い商品の中に高さのあるものを入れるなどを行うだけでもディスプレイがぐっといいものになります。

店舗ディスプレイの基本構成

ここまでは、ディスプレイの原則をお伝えいたしました。
ここからは先ほど述べた原則をふまえた上で、実際のディスプレイ方法をお伝えしていきます。

いくつかの要素を組み立ててひとつのものにすることを「構成」と言います。
ディスプレイの基本の構成は以下の3つが挙げられます。

  1. 三角形の構成(トライアングル)
  2. 左右対称構成(シンメトリー)
  3. リピート構成

順番に説明いたします。

1.三角形の構成(トライアングル)

三角形の構成(トライアングル)とは、頂点を決めて三角形を描くように構成する方法です。
安定感があるとともに、立体感がでるので店舗ディスプレイで最も多く使われる構成でもあります。
また三角形は、人が普遍的に美しいと感じる形でもあります。

三角形に陳列をすると、商品をある程度一か所に固めておくことになるため、いい具合の余白を生み出すことができます。

また三角形の取り入れ方として、ひとつのディスプレイ内にいくつかの三角形を作ることでよりまとまりが分かり見やすくなります。
この方法は、商品の大きさや形がばらばらな時や、狭いスペース(エンドコーナー等)に少し商品を飾りたい時などに活用できます。
ちなみに三角形の形は、正三角形でなくても二等辺三角形や不等辺三角形でもかまいません。
実際に三角形に並べる方法でディスプレイをした例が以下のものになります。

2.左右対称構成(シンメトリー)

左右対称構成(シンメトリー)な店舗ディスプレイ
左右対称構成(シンメトリー)は、中心線を軸に左右が対称になるよう陳列をする方法です。

左右対称構成(シンメトリー)は、正しく、またモダンな印象を与えることができます。
商品は全く同じものでなくてもいいのですが、同じような高さや大きさ、素材や色のものを使用した方が美しくまとまった印象になります。

また、この中心線を軸にディスプレイをするものには「左右非対称構成(アシンメトリー)」というものもあります。
左右非対称構成(アシンメトリー)な店舗ディスプレイ
こちらはあえて左右対称を崩すことによってディスプレイに動きを出し、軽やかな印象を与えることができます。

3.リピート構成

リピート構成な店舗ディスプレイ

リピート構成は同じもしくは似た商品を等間隔で並べるという方法です。

例えば、新着商品やその時にとにかく目につかせたい商品などを1つではなくたくさん並べることで目立たせることができます。
また見る人にインパクトを与えることもできます。
このリピート構成は、商品の陳列方法でも活用していただける方法です。

「テーマ」設定

いざディスプレイをしようと思った時に、並べ方は分かっていても並べる商品がないと何も始められません。
まず初めにやることは、「テーマ決め」です。
最初にお伝えした、「明白さ」を出すためにも最初に伝えたいことが何なのかを決めることが肝心です。
売り場テーマの基本的な切り口としては、以下のようなものが考えられます。

  • 季節(春・夏・秋・冬など)
  • ライフスタイル(インドアで楽しむ、エコな暮らしなど)
  • ライフステージ(入学、卒業、結婚、定年など)
  • イベント(バレンタイン、ホワイトデー、クリスマス、母の日、父の日など)

見る人がどういうテーマで作られたディスプレイなのかが一瞬で分かるようにしっかりとテーマを設定するのがコツです。

店頭を常に新鮮に頻度高く変えていきたい場合には「○○の日」という切り口なんかもあります。
例えば、2月22日は「猫の日」、3月8日は「ミモザの日」、4月14日「オレンジデー」などがあります。
実は、365日毎日何らかの記念日なのです。
色などでまとめてディスプレイ提案を出来る場合もあるので、是非ネットなどで一度チェックしてみてください。
意外な切り口などができて、面白いテーマが設定できる可能性もあります。

例えば、以下のディスプレイは「夏を乗り切る10カ条」
というテーマで作ったディスプレイで
寒色系の商品を使い涼しげなイメージになっております。

エトワール海渡の店舗ディスプレイをご紹介

ここまで、店舗ディスプレイの基本原則やディスプレイの方法についてご説明しました。
何となく、コツを掴んでいただけたでしょうか。
ここからは、エトワール海渡の実際の店舗ディスプレイをご紹介します。

2020年2月1日から22日まで、ホームデコ館1階の展示会場で開催した「Life with Colors」のウィンドウをピックアップしてお見せします。
エトワール海渡店舗ディスプレイ実例

今回は什器をあらかじめ組み立てたうえで、ディスプレイを考えていくという方法で進めていきました。
エトワール海渡店舗ディスプレイ什器

色ごとにまとめるか……
商品ごとにまとめるか……

いくつかの構図の候補を出したうえでまずは展示会場へ向かいます。
エトワール海渡展示会場

今回は什器をもとに構図を想定していたため比較的商品選びがスムーズだったものの、それでも多くの商品がある中で何をセレクトすべきかは何度店舗のディスプレイを担当しても悩みます。
展示会場の商品をぐるっと見てまわり、今回は商品ごとにまとめたうえで色を統一していくことになりました。

左の什器から以下のくくりとなっています。

  • キッチン雑貨
  • かごバックを軸に色別に提案
  • バスフレグランス
  • ガーデン

その中で左から3番目のバスフレグランスの棚をピックアップしてご紹介します。

まず、こちらが最初にセレクトした商品を単純に置いたのみの状態です。
エトワール海渡店舗ディスプレイ実例

ここから、いくつかディスプレイの方法を試して置き方を決めます。
そして、ディスプレイの原則に沿っているか等を細かくチェックしていきます。
試行錯誤を経て完成したのは以下。
エトワール海渡店舗ディスプレイ実例完成版

最初の状態では少しボリュームが足りないのでは?となり、棚に造花を飾り、キャンドルなどの小物を増やしました。
この棚から垂れ下がるお花が奥行を持たせ、一気に空間が華やかになっています。
このように商品では少し寂しい時は、造花や植物を足してみるのもコツです。
テーマや商品の雰囲気にもよりますが、常備しておくと活躍する場が多いはず。

エトワール海渡でも造花の取扱いがありますが、ディスプレイや店舗装飾を目的に仕入れられる会員様が多くいらっしゃいます。
特にお花は季節感を簡単に出すことができとても便利です。

ちなみに、今回の店舗ディスプレイの全体の完成形がこちらです。

エトワール海渡ディスプレイ完成版

エトワール海渡ディスプレイ完成版

パッと目を惹いて、かつ一瞬で展示の内容がイメージできるディスプレイになったのではないでしょうか。

様々な方法を試して、徐々にディスプレイのコツを掴んで

店舗ディスプレイは色んな物を並べては変えということを繰り返していくとベストな形が見えてきます。
商品を増やしてみたり、高さを出してみたり……繰り返していくとコツがつかめてくるものです。
是非、何度も繰り返してコツを掴んでいきましょう。

店舗ディスプレイに困ったらエトワール海渡におまかせください

エトワール海渡は、商品だけでなく、陳列や店舗ディスプレイまで小売店の経営に関するあらゆるアドバイスが可能です。
是非一度、店舗に足を運んでいただき、直接ディスプレイをご覧ください。